天気予報では、雨がたくさん降ることを豪雨や大雨などと言っています。
大雨より豪雨のほうが激しい雨なんだろうなとはなんとなくイメージできますが、よくよく考えてみると具体的にどんな意味なのか、よくわかりません。
豪雨と大雨の定義や違いに関して、詳しく知っている方は案外少ないのではないでしょうか?
今回は、豪雨と大雨の定義と違いや雨量の目安と災害への影響などについて見ていきます。
豪雨と大雨の定義と違い
普段から何気なく聞いているこれらの気象用語について理解していないのも仕方がないことだと思います。
なぜなら、これらの気象用語は専門用語でもあるからです。
なんとなくイメージしてはいてもちゃんとした定義は、きちんと調べてみないとわからないものです。
気象庁によると、豪雨と大雨の定義は、
豪雨は、著しい災害が発生した顕著な大雨現象
大雨は、災害が発生するおそれのある雨
となります。
参考:「降水」(国土交通省・気象庁)
⇒ https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kousui.html
ちょっと意外な気もしましたが、災害の規模によって定義が分かれるんですね。
違いはやはり、豪雨のほうが大雨より災害の規模が大きくなりやすいことでしょう。
豪雨と大雨の雨量の目安
お気づきになった方もいらっしゃるかと思いますが、豪雨と大雨の定義には降水量何ミリなどの雨量の目安がありません。
豪雨も大雨も雨量ではなく、災害の規模を目安としています。
これは地域によって地形などが異なるために、一概に雨量で決められないことに起因します。
例えば、地盤の緩い地域もあれば、固い地域もあります。
同じ雨量でも災害の危険性が地域によって違ってくるというわけです。
また、豪雨のさらに激しい雨として「集中豪雨」という気象用語も最近よく耳にしますが、「集中豪雨」は、同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨と定義されています。
豪雨と大雨には雨量の目安はないのですが、「集中豪雨」の場合は、100mmから数百mmと雨量の目安があるのが、大きな違いといえます。
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豪雨と大雨の災害への影響
豪雨と大雨では、災害への影響は豪雨のほうが大きいことがわかりました。
大雨が降れば、河川が増水したりして浸水や洪水が起こる危険性があります。
豪雨となれば、その危険性はさらに高まり、災害への影響が懸念されます。
大雨の場合は、大雨注意報や大雨警報などで注意を呼びかけますが、豪雨の場合は、少し違います。
豪雨の場合は、「○○豪雨に匹敵する大雨」など激甚災害や命名された大雨災害の名称、または地域的に定着している災害の通称(東海豪雨など)の名称を引用する形で用いられます。
一般に発表する予報や警報、気象情報等では、「豪雨」という気象用語単独では使われません。
そういえば天気予報で豪雨注意報や豪雨警報という気象用語は聞かないですし、「今後の豪雨にご注意下さい」とも言わないですよね。
やっぱり「○○豪雨に匹敵する大雨」といった表現を使っています。
豪雨の場合は、あくまで災害への影響を前提とした表現をしていることがわかります。
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まとめ
今回は、豪雨と大雨の定義と違いや雨量の目安と災害への影響などについて見てきました。
まとめると、豪雨と大雨の定義は、
豪雨は、著しい災害が発生した顕著な大雨現象
大雨は、災害が発生するおそれのある雨
となり、雨量の目安ではなく災害の危険性が目安になります。
豪雨と大雨は、天気予報での表現で違いがあり、大雨はこれからの注意を呼びかけますが、豪雨は過去の雨による災害の名称を使います。
イメージとしては似ていますが、豪雨と大雨には災害の規模や表現においてこのような違いがあります。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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