将棋には8つのタイトルがありますが、同一のタイトルを長く持っていると永世称号という栄誉ある称号が得られます。この永世称号とはいったいどんなものなのか、また得るための条件はどうなっているのでしょうか?
また、各タイトルの永世称号保持者は当然のことながら、すごい棋士の名が並びますが、その顔触れや最年少記録なども気になるところです。
今回は、将棋のタイトルの永世称号の条件とは何か、さらに保持者一覧と最年少記録なども見ていきます。
将棋のタイトルの永世称号とは?
将棋のタイトルの永世称号とはタイトルを連続である一定回数以上獲得するか、または通算である一定回数以上を獲得することで得られる名誉称号のことをいいます。
これらの条件をクリアした棋士に永世称号が与えられ、その栄誉は将棋界で非常に高く評価されています。永世称号は原則として現役引退後に名乗ることができます。
ひとつ取るだけでも大変なタイトルを長く保持するのですから、いかに大変な記録で達成するのが難しいかがわかります。なお、永世称号を獲得するための条件はタイトルごとに異なります。
・特定のタイトルを連続して一定回数以上獲得
・特定のタイトルを通算で一定回数獲得
※条件はタイトルごとに異なる
将棋のタイトルの永世称号の条件と保持者一覧
続いて、将棋のタイトルの永世称号の条件と保持者を一覧表で見ていきましょう。永世称号の呼称は王座のみ永世称号は「名誉王座」で、その他は「永世~」となっています。
永世称号の条件は下記の表のようにタイトルごとに異なり、最も達成しやすいのが通算5期の永世叡王と永世棋聖、難しいのは通算10期のみの永世王位と永世王将、連続5期のみの永世棋王といっていいでしょう。
永世称号保持者は大山康晴さん、中原誠さん、羽生善治さんの名前がやはり目立っており、2017年創設の叡王戦はまだ歴史が浅いため永世称号保持者はまだ現れていません。
羽生善治さんは叡王戦が創設される前に七冠制覇、その後、叡王戦が創設されてからになりますが永世七冠(獲得99期)という大記録を達成しています。2024年に棋聖戦と王位戦で2つの永世称号を獲得した藤井聡太さんが羽生善治さんの記録にどこまで迫れるかが今後の注目となりそうです。
将棋のタイトルの永世称号の条件と保持者一覧表
永世称号 | 条件 | 保持者 |
永世竜王 | 連続5期 or通算7期 |
渡辺明・羽生善治 |
永世名人 | 通算5期 | 木村義雄・大山康晴・中原誠・谷川浩司・森内俊之・羽生善治 |
永世王位 | 連続5期 or通算10期 |
大山康晴・中原誠・羽生善治・藤井聡太 |
永世叡王 | 通算5期 | - |
名誉王座 | 連続5期 or通算10期 |
中原誠・羽生善治 |
永世棋王 | 連続5期 | 羽生善治・渡辺明 |
永世王将 | 通算10期 | 大山康晴・羽生善治 |
永世棋聖 | 通算5期 | 大山康晴・中原誠・米長邦雄・羽生善治・佐藤康光・藤井聡太 |
※竜王戦の前身に十段戦があり、永世称号保持者(永世十段)は大山康晴と中原誠の2名のみ(条件は通算10期保持)
将棋のタイトルの永世称号の最年少記録
将棋のタイトルの永世称号の最年少記録は、藤井聡太さんの21歳11か月です。2024年の棋聖戦五番勝負で防衛に成功し棋聖戦5連覇となって、「永世棋聖」の資格を得ました。
藤井聡太さんが最年少記録を更新するまでは、中原誠十六世名人の1971年の「永世棋聖」の資格で23歳11か月が最年少記録だったので、実に53年ぶりの更新でした。
上記の永世称号の条件を見てわかるように、永世称号の資格を得るにはどのタイトル戦でも少なくとも5期(5年)は獲得する必要があるので、藤井聡太さんの21歳11か月がいかに若くして達成した記録かがわかります。
21歳11か月:藤井聡太(2024年の棋聖戦五番勝負で達成)
こちらの記事も合わせてどうぞ↓↓
将棋のタイトルの永世称号の条件と保持者一覧~まとめ
今回は、将棋のタイトルの永世称号の条件とは何か、さらに保持者一覧と最年少記録なども見てきました。
将棋のタイトルの永世称号とはタイトルを連続、あるいは通算である一定回数以上を獲得することで得られる名誉称号のことで、条件は最も達成しやすい通算5期から最も難しいと思われる通算10期のみや連続5期のみなど、各タイトルによって異なります。
永世称号の保持者一覧を見ると、大山康晴さん、中原誠さん、羽生善治さんなど歴史に残る大棋士の名前が目立ちます。最年少記録は2024年の棋聖戦五番勝負で達成された藤井聡太さんの21歳11か月です。今後、藤井聡太さんがいくつ永世称号を獲得するのかが注目されます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント