毎年多かれ少なかれ、台風は来ますが、天気予報を見ていて、「大型で強い台風」などと表現されてもどの程度のものなのか、ピンとくる方は少ないのではないでしょうか?
台風の強さ・大きさは何で決まるのでしょうか?
よく基準は耳にするヘクトパスカルでいいのでしょうか?
今回は、「台風の強さ・大きさは何で決まるの?基準は気圧かヘクトパスカルか?」と題して、台風の強さ・大きさとその基準について見ていきます。
台風の強さ・大きさは何で決まる?
台風の強さ・大きさに関しては、いろいろな表現がありますが、基本となるのは風速です。
これをもとに台風の強さは最大風速、大きさは強風域の半径で決まります。
この台風の風速は、10分間の平均の最大風速になります。
また、よく耳にする暴風域とは、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲をいいます。
具体的に見ていきましょう。
台風の強さは何で決まる?
台風の強さは、最大風速によって決まりますが、現在では「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3段階で表されています。
以前は33m/s未満を「弱い」「並の強さ」と表していましたが、現在は廃止されています。
台風の強さは、以下の3段階で表されます。
・強い:33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
・非常に強い:44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
・猛烈な:54m/s(105ノット)以上
ちなみに、59m/s以上で、スーパー台風です。
※ノットは1時間に1海里進む速さで、1海里=1852mです。
参考:「台風の大きさと強さ」(国土交通省・気象庁)
⇒ https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.html
猛烈な台風が来ると…
現実的に猛烈な台風が日本に上陸することは稀です。
猛烈な台風が発生することがあっても日本に近づく頃には勢力が弱くなっているからというのが理由で、大きな被害にはなることは少ないです。
しかし、2003年にこの猛烈な台風が勢力を保ったまま、日本を直撃しました。
直撃を受けたのは沖縄県宮古島で、最大風速55m/sで、気象庁によると最大瞬間風速は74.1m/sを記録しました。
この結果、宮古島は、
・建物の屋根が飛ばされた
・電柱が倒壊
・車の横転
などの被害が発生し、台風の多い沖縄県でも極めて大きな被害を受けました。
台風の大きさは何で決まる?
台風の大きさは、強風域の半径で決まりますが、この強風域とは風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲をいいます。
台風の大きさは、現在では「大型」と「超大型」の2段階で表されています。
以前は500km未満を「中型」「小型」などと表していましたが、現在は廃止されています。
台風の大きさは、以下の3段階で表されます。
・大型(大きい):500km以上~800km未満(風速15m/s以上の半径)
・超大型(非常に大きい):800km以上(風速15m/s以上の半径)
台風の強さ・大きさの基準は気圧かヘクトパスカルか?
台風の強さ・大きさは、台風の強さは最大風速、大きさは強風域の半径で決まることはわかりました。
では、よく天気予報などで耳にする台風の気圧がどうのとかヘクトパスカルというのは台風の基準にはならないのでしょうか?
このヘクトパスカルというのは、気圧を表す単位なんです。
ちなみに1気圧=1,013ヘクトパスカルで、これより数値が小さければ低気圧、逆に大きければ高気圧ということになります。
台風は中心気圧が低ければ低いほど風も強くなり、台風としては強いということになります。
しかし、台風の強さと大きさを表す基準としては、最大風速と強風域の半径という組み合わせで表した方が分かりやすいように思います。
したがって、ヘクトパスカルという気圧だけでは、強さや大きさを表すものとしては使われず参考にはなっても基準にはなっていないというのが現状です。
台風の強さ・大きさの基準~まとめ
今回は、「台風の強さ・大きさは何で決まるの?基準は気圧かヘクトパスカルか?」と題して、台風の強さ・大きさとその基準について見てきました。
まとめると、台風の強さは最大風速、大きさは強風域の半径で決まり、ヘクトパスカルという気圧を表す単位は基準にはなっていません。
これで台風の強さ・大きさに関しては大体のイメージができたと思います。
次に天気予報を見る時には前とは違った見方ができるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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