「霧」と「靄」と「霞」、これを一発で読めて意味の違いを理解している方は凄いと思います。(個人的感想)
漢字も似ていて複雑なので、非常にややこしいですが、はっきりとした違いがあります。
「霧」と「もや」の違いは、気象上は「視程」が違うということですが、この「視程」とは何なのでしょうか?
ますます、ややこしくなってきなような気がします。
今回は、「霧ともやの違いは視程?靄と霞の読み方や気象上の意味はどう違う?」と題して、霧ともやの違いなどについて見ていきます。
霧ともやの違い
「霧」も「もや」もともに空気中に水滴や水分が浮かんでできる現象という意味では同じです。
どちらも湿度が100%近くになると水蒸気が細かい水滴となって現れてきます。
「霧」も「もや」の物理的な違いは、この空気中に含まれている水滴や水分の量の違いです。
「霧」は「もや」より水滴や水分の量が多くいため、「もや」より見通しも悪くなります。
濃度でいえば、「霧」の方が「もや」より濃度が高いといえます。
このように「霧」も「もや」の違いとして、含まれる水滴や水分の量の違いと見通せる距離の違いがあります。
霧ともやの違い~「季語」としての違い
俳句などで、句の季節を表す言葉として「季語」がありますが、ここでも「霧」と「もや」の間には違いがあります。
「霧」は一年中見られることもあり以前は特定に季節はありませんでしたが、平安時代以降は秋の季語として定着しています。
一方、「もや」は季語にはなっていません。
また、「霧」や「もや」と似たような言葉で「かすみ」がありますが、こちらは春の季語として使われています。
「霧」 ⇒ 秋
「もや」 ⇒ なし
「かすみ」 ⇒ 春
霧と靄と霞の読み方の違い
続いては読み方についてですが、「霧」と「靄」と「霞」の読み方はご存知でしょうか?
3つすべてを一発で読めた方は、凄いと思います。
ちなみに筆者は、「霧」と「霞」は読めましたが、「靄」は読めませんでした。
「霧」は使われる頻度も多いので問題ないと思いますが、「靄」と「霞」の読み方は難しいですよね。
「靄」の読み方は「もや」、「霞」の読み方は「かすみ」です。
以下にまとめておきます。
「霧」 ⇒ 「きり」
「靄」 ⇒ 「もや」
「霞」 ⇒ 「かすみ」
霧ともやと霞(かすみ)の気象上の意味の違い
最後に「霧」と「もや」と「霞(かすみ)」の気象上の意味の違いについて見ていきましょう。
すでにおわかりのように、「霧」は「もや」より見通しも悪く、視界が悪くななります。
ここまでは漠然とした表現でしたが、気象上の意味ではより厳密に決められています。
気象上の意味においては、
「霧」 ⇒ 視程が1km未満
「もや」 ⇒ 視程が1km以上10km未満
「霞(かすみ)」⇒ 気象上の意味なし
となります。
よく聞く「濃霧」ですが、これは視程が陸上で100m以下、海上で500m以下の「霧」をいいます。
また、「霞(かすみ)」は、気象用語ではなく、水滴にチリや煙、黄砂などが混じったもので純粋に水滴ではなく視程がどれだけという定義もありません。
視程とは?
「視程」という言葉を初めてお聞きになった方も多いのではないでしょうか?
実を言うと筆者も最近まで知りませんでした。
「視程」とは、大気の見通しで、水平方向(人の目の高さ)で見通せる距離をいいます。
ひと言で言えば、見通しですが、これをメートルなどきちんとした数字で表したものです。
まとめ
今回は、「霧ともやの違いは視程?靄と霞の読み方や気象上の意味はどう違う?」と題して、霧ともやの違いなどについて見てきました。
まとめると、「霧(きり)」と「靄(もや)」と「霞(かすみ)」の読み方や気象上の意味の違いは、
「霧(きり)」:水蒸気が細かい水滴となって現れたもので、視程が1km未満
「靄(もや)」:水蒸気が細かい水滴となって現れたもので、視程が1km以上10km未満
「霞(かすみ)」:水滴にチリや煙、黄砂などが混じったもので、気象上の意味はなく、視程の規定もなし
となります。
「霧」と「靄」と「霞」は、漢字が似ていて、なおかつ複雑なため、読み方も意味も区別するのが大変難しいように思います。
気象上の意味としては視程という距離での見え方の違いが大きなポイントとなります。
ちょっとややこしかったかもしれませんが、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント