日本でも毎年のように自然災害が発生し、特に大雨による災害は年々増加しているように思います。
雨の降り方も変わってきているように感じますが、ニュースなどで見ると災害の時の言葉も多種多様になってきているような気がします。
災害用語の意味と前兆を知っていれば対策を取りやすいようにも思います。
大雨が降った時によく耳にする冠水も浸水も洪水も意味が似ているように感じますが、意味にはどんな違いがあるのでしょうか?
今回は、冠水と浸水と洪水の違いについて見ていきたいと思います。
冠水と浸水と洪水の違い
冠水と浸水と洪水の違いを即答できる方は、そう多くはないのではないでしょうか。
微妙な違いしかない場合もあれば、はっきりと違いを認識できる場合もあります。
冠水と浸水と洪水の意味の違いは、下記の通りですが、冠水と浸水は非常によく似ていて、ある意味ではひとつに括れないこともないですね。
違いは、水に浸るのが住居なのかどうかということになります。
一方、洪水は冠水・浸水とは明らかに意味が違います。
なぜなら冠水と浸水を引き起こすのが洪水だからです。
冠水と浸水と洪水の違いは、災害規模の違いとも言い換えることができます。
災害の規模の大きさからいうと、大きい順に、
洪水>浸水>冠水
になりやすいという意味もあります。
参考:「水害について」(国土交通省 国土地理院)
https://www.gsi.go.jp/common/000190162.pdf
※PDFファイルです。
冠水の意味
冠水の意味は、洪水による氾濫(河川などの水があふれ広がること)によって田畑や道路などが水に浸かることをいいます。
普段は水に浸かっていない場所が水に浸かることを意味しています。
浸水の意味
浸水の意味は、洪水による氾濫(河川などの水があふれ広がること)によって住宅などが水に浸かることをいいます。
普段は水に浸かっていない場所が水に浸かるという意味では冠水と同じです。
また、浸水した地面から水面までの高さを浸水深といい、この浸水深による浸水の目安は以下の通りです。
0~0.5m:大人の膝まで浸かった状態(床下浸水)
0.5~1.0m:大人の腰まで浸かった状態(床上浸水)
1.0~2.0m:1階の軒下まで浸水した状態
2.0~5.0m:2階の軒下まで浸水した状態
5.0m~:2階の屋根以上まで浸水した状態
洪水の意味
洪水の意味は、大雨や雪解けなどによって河川の水位や流量が普段より増大したり、氾濫することをいいます。
冠水も浸水も洪水によって引き起こされるわけですから、最も大きな自然災害になりやすいことがわかります。
冠水と浸水と洪水の前兆を知って早めの対策を!
冠水と浸水と洪水の違いは、災害規模の違いとも言い換えることができることがわかりました。
災害用語の意味を知ったら次は、対策です。
河川の洪水には前兆があります。
天気予報では「洪水注意報」や「洪水警報」が発令され注意を呼びかけますが、洪水の前兆になるのは主に次の2つです。
1.住んでいる地域で、豪雨や長雨が続いている
2.住んでいる近くの川の上流で、豪雨や長雨が続いている
自分の住んでいる地域だけでなく、近くに河川がある場合は上流まで注意をする必要があります。
国土交通省や都道府県では、大雨が降ると浸水想定区域図や洪水ハザードマップなどを作成して注意を喚起しています。
水害が発生する時は、浸水の深さ(浸水深)によって危険のレベルも変わってきます。
これをもとに浸水想定区域図が作成されます。
ハザードマップでは、河川の氾濫が起きた時にどれぐらい浸水する可能性があるのか事前に調べることができます。
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対策(避難)は早めに!
このような洪水の前兆が見られ避難を検討する状況になってきた場合には、早めの行動がポイントになります。
避難行動は浸水前にとることが必要ですが、自治体から避難指示や避難勧告が出された場合は指示に従ってい速やかに避難することになります。
避難する時には冠水している道路は極力通らないにして、すでに自宅が浸水しているなど外に避難するのが困難な場合は、できるだけ低い場所は避け、建物内のできるだけ限り高いところに避難する垂直避難を心掛けましょう。
また、近くの河川や用水路がどうなっているのか知りたいからといって様子を見に行くことはやめておきましょう。
これまでも大雨の時に川や用水路の様子を見に行って被災してしまうということがよく発生しています。
ひとたび洪水が起こると水は思ったより早く家屋などを襲ってきますので、とにかく早めの行動がポイントになります。
冠水と浸水と洪水の違い~まとめ
今回は、冠水と浸水と洪水の違いについて見てきました。
冠水と浸水と洪水の違いは、災害規模の違いとも解釈することができ、洪水>浸水>冠水になると考えられます。
洪水が発生する時には大雨が続くなど前兆があるので、この前兆を察知したなら避難ルートの確認なども確認しておくべきでしょう。
そして避難指示や避難勧告が出された場合には、とにかく早めの行動がポイントになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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