毎年、日本には春の終わりとともに梅雨の季節がやってきます。
NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」では度々、梅雨をテーマに放送しています。
梅雨はなぜ起こるのか、梅雨の漢字の由来、さらに梅雨入り・梅雨明け宣言を廃止したのはなぜなのでしょうか?
チコちゃんの答えは一言でシンプルですが、詳しい解説なしでは理解するのはなかなか難しいようです。
今回は、梅雨はなぜ起こるのか、漢字の由来と宣言を廃止した経緯をチコちゃんの解説で見ていきます。
梅雨はなぜ起こる?~チコちゃんの解説
梅雨はなぜ起こるのか、チコちゃんの答えは「チベット高原があるから」でした。
チベット高原は日本から4,000kmも西の中国南部、インド北東部に位置するヒマラヤ山脈など世界最高峰の山脈が連なる平均標高4,000m以上のユーラシア大陸最大規模を誇る高原です。
しかし、このチベット高原が梅雨にどう関係しているのか、ピンとこない方も多いと思います。
夏が近づくと標高の高いチベット高原では太陽の日差しで気温が上昇し、チベット高原が高い壁となり暖かい空気が溜まります。
そこへインド洋から大量の水蒸気を含む風が吹き込み、南西風(モンスーン)により日本付近へ流れ込みます。
さらにアジア大陸の上空には亜熱帯ジェット気流という西風が常に吹いており、これに乗ってチベット高原の暖かい空気も日本付近に運ばれてきます。
この結果、日本付近では暖かい空気の下に湿った空気が多量に流れ込んで積乱雲が発生し、北側の冷たく乾いた空気とぶつかることになります。
この境目の部分が梅雨前線と呼ばれるもので、停滞前線とも呼ばれ、長くその場に留まって広い範囲で雨や曇りのぐずついた天気が続きます。
これが梅雨はなぜ起こるのかに対する、チコちゃんの答えでした。
梅雨の漢字の由来~チコちゃんの解説
ところで、梅雨の漢字「梅雨」は、なぜ「梅」と「雨」なのでしょうか、その由来はどうなっているのでしょうか。
梅雨の漢字「梅雨」の由来、チコちゃんの答えは「カビがイヤだから」でした。
大東文化大学の山口謠司教授によると、梅雨は日本だけではなく中国や朝鮮半島にも発生する気象現象で、中国では「黴雨」と書いて読み方は「ばいう」と読みます。
意味としては「カビをもたらす雨」で、中国ではメイユーと発音するそうです。
しかし、カビの雨というのはあまりよろしくないということで、発音が同じで中国では6月頃に収穫の「梅」という漢字が当てられるようになりました。
日本には奈良時代に梅雨の文字が伝わり、定着したのではないかと考えられています。
なるほど、「カビをもたらす雨」より「梅の雨」のほうが、表現としては情緒があって美しいですね。
梅雨の漢字の由来
中国の”カビをもたらす雨”「黴雨(ばいう)」が同じ読み方の「梅雨」になった
梅雨入り・梅雨明け宣言を廃止したのはなぜ?~チコちゃんの解説
また、気象庁では梅雨入りと梅雨明けの時期を「〇月〇日頃」というように日付を限定せずにフワッとした表現をしています。
梅雨入り発表がスタートした1986年頃は「〇月〇日、○○地方は梅雨入りしたとみられます」と日付をはっきり言い切っています。
しかし、現在ではこのようなはっきりした表現では梅雨入り・梅雨明け宣言はされていません。
これはなぜなのか、チコちゃんの解説はどうでしょうか。
それまでの梅雨入り・梅雨明け宣言に変化が見られたのが1993年で、この年日本では活発な梅雨前線による日照不足や低温が9月頃まで続く歴史的な大冷夏となり、気象庁では一度発表した梅雨明け宣言を撤回する事態となりました。
気象庁では梅雨入り・梅雨明け宣言は防災対策的な役割があるため発表を続けていましたが、農業や建設業の方にとってはこれが不正確では大問題です。
1995年には梅雨入り・梅雨明け宣言が、「〇月上旬の後半に梅雨入りしたとみられる」という非常にわかりずらい表現に変わり、これも不評で2年で終了となります。
1997年以降は「〇月〇日頃、梅雨入りしたとみられます」という表現に変わりました。
梅雨入り・梅雨明けの時期の特定が非常に困難であるがゆえに、紆余曲折を経て現在の表現に至っています。
梅雨入り・梅雨明け宣言の表現の変遷
- 1986年頃~
「〇月〇日、○○地方は梅雨入りしたとみられます」 - 1995年~
「〇月上旬の後半に梅雨入りしたとみられる」 - 1997年~
「〇月〇日頃、梅雨入りしたとみられます」
梅雨はなぜ起こるのかをチコちゃんの解説で~まとめ
今回は、梅雨はなぜ起こるのか、漢字の由来と宣言を廃止した経緯をチコちゃんの解説で見てきました。
梅雨はなぜ起こるのか、チコちゃんの答えは「チベット高原があるから」、梅雨の漢字の由来は「カビがイヤだから」です。
また、梅雨入り・梅雨明け宣言を廃止したのは、梅雨入り・梅雨明けの時期の特定が非常に困難なためで、気象庁が一度発表した梅雨明け宣言を撤回したことがきっかけでした。
今後、予報の精度が上がり、梅雨入り・梅雨明けの時期がより特定されることが期待されます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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