レジ袋が世界的な社会問題になっています。
昔は買い物袋を持参して買い物に行ったものですが、いつの間にか買った商品はレジ袋に入れてもらうのが当たり前という時代になりました。
スーパーではすでにレジ袋の有料化が始まっていますが、店舗数の多いコンビニエンスストアでは今のところ、まだまだというのが現状です。
しかもレジ袋有料化に意味があるのかという声もあり、義務化に反対の意見も見られます。
はたして、レジ袋有料化の理由とは何なのでしょうか?
今回は、レジ袋有料化の理由と義務化に反対の意見を見ていきたいと思います。
レジ袋有料化の理由
レジ袋有料化の理由はさまざまありますが、これまでは利便性が最優先されてきました。
レジ袋有料化の理由には、大きく分けて経済的な理由と環境保護的な理由、その他の理由の3つがあります。
順番に見ていきましょう。
レジ袋有料化の理由①~経済的な理由
まず経済的な理由があります。
日本で年間に消費されるレジ袋の枚数は約300憶枚です。
レジ袋のほとんどは結局、最終的には捨てられることになりますが、これを処理するのに年間3,000憶円以上のコストがかかっています。
また、レジ袋300億枚を作るためには約60万キロリットルもの石油が必要になります。
日本は石油は輸入に頼っていますから、レジ袋のために毎年60万キロリットルの石油を買って3,000憶円以上のコストをかけて捨てていることになります。
レジ袋有料化の理由②~環境保護的な理由
【海洋プラスチックごみ問題】
2050年には海中のプラスチックごみは魚の量を上回るとの予測もあります。
プラスチックがポイ捨てされ放置されると、雨や風によって河川等に入り、海に流れ出てしまいます。海はもちろん、路上、山中、川でのポイ捨ては絶対にやめましょう!https://t.co/GGhylzkKEu pic.twitter.com/QSAA6fDJMv— 環境省 (@Kankyo_Jpn) 2019年6月4日
もうひとつが環境保護的な理由です。
レジ袋はプラスチック製なので、自然に還ることなく、海洋生物などが誤って食べてしまえば生態系への悪影響が懸念されます。
そして最終的には影響を受けた魚などを食べた私たち人間の体内に取り込まれます。
また、レジ袋の焼却処分は地球温暖化につながるので、レジ袋はないほうが環境にいいのは明らかです。
レジ袋有料化の理由③~その他
経済的な理由や環境保護的な理由以外にもいくつか理由があります。
・捨てられたレジ袋で景観が悪化
・捨てられたレジ袋で排水管が詰まってしまう
レジ袋有料化の義務化に反対の意見も
このレジ袋の有料化は海外ではすでに実施している国が多いです。
ヨーロッパのほとんどの国ではすでに2000年代前半には実施されており、アジアでもすでに韓国と台湾で実施されています。
その他にオーストラリアやインドなど多くの国で、ビニール袋の使用が禁止されています。
日本は海外に比べ、レジ袋有料化は遅れていると言わざるを得ません。
それどころか日本ではレジ袋有料化義務化に反対の意見も根強くあります。
いくつか反対の意見も見ていきましょう。
レジ袋有料化の義務化に反対の意見①~買い物が不便になる
レジ袋が有料化されれば、当然いくらかお金を支払うことになります。
となれば買い物袋を持参する方が増えると思いますが、買い物袋を持参していない場合は買い物が不便になります。
一つ二つぐらいならまだしも品数が多くなれば、買い物を躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。
お弁当などをレジ袋なしで持ち歩くのも恥ずかしくて気が引けると思います。
レジ袋有料化の義務化に反対の意見②~日常生活にレジ袋が活用できない
レジ袋を家庭などでの日常生活に使用している方は多いと思います。
というか使っていない方はいないのではないでしょうか。
ゴミ袋替わりにもなりますし、ちょっと何かを入れたい時など、レジ袋は大変重宝します。
少し横着な気もしますが、レジ袋がなくなれば日常生活も少し不便になるのは間違いないでしょう。
レジ袋有料化の義務化に反対の意見③~地球温暖化抑制の効果は薄い
確かにレジ袋を作るには石油が必要ですが、レジ袋で使用されている石油の量は日本の石油消費量のわずか約0.2%でしかないというデータもあります。
レジ袋を有料化にしたところで、地球温暖化抑制の効果はたかが知れているということです。
確かに言われてみればそうかもしれませんが、世界で足並みを揃えることで効果が上がるともいえます。
そこで日本だけ漫然とレジ袋を使い続けるのは、国際社会が許さないでしょう。
レジ袋有料化へのスーパー・コンビニなどの対応例
気になるのはレジ袋有料化に伴って、各スーパー・コンビニなどがどう対応するのかです。
対応は各スーパー・コンビニなどで分かれレジ袋を有料化にするだけでなく、有料義務化の対象ではない紙袋に変更したり、プラスチック製であっても無料配布OKの「バイオマス素材」25%以上を含有するレジ袋に切り替えるなどさまざまです。
主なスーパー・コンビニなどのレジ袋有料化への対応例は、以下の通りです。
環境配慮型のプラスチック製レジ袋を有料化で配布
セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなど大手コンビニ、マツモトキヨシ、ウエルシアなど大手ドラッグストア
環境配慮型のプラスチック製レジ袋を無料で配布
セイコーマート、吉野家、松屋、すき家、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、ガスト、ロイヤルホスト、サイゼリヤ、バーミヤン、くら寿司
紙袋を有料化
そごう西武、三越伊勢丹の食品売り場
紙袋を無料で配布
モスバーガー
※2020年6月24日現在
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レジ袋有料化の義務化~新しい課題
レジ袋有料化の義務化は、環境汚染の悪化を防ぐための対策としてまさに第一歩を踏み出したものといえるでしょう。
しかし、2020年になってレジ袋は有料化にしたもののまた新たな課題が生まれています。
新型コロナウイルスの影響です。
日本国内で廃棄されるプラスチックごみのうちレジ袋の占める割合はわずか数%にすぎませんが、他方では新型コロナウイルスの影響でテイクアウトが増えていることから容器や包装などのプラスチックごみの増加が懸念されます。
また、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐことを目的にコーヒーなどのドリンクもプラスチック製の容器に切り替えて提供する傾向もみられます。
レジ袋以外にも容器や包装などのプラスチックごみを今後どうするかも頭の痛い課題になりそうです。
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レジ袋有料化の理由~まとめ
今回は、レジ袋有料化の理由と義務化に反対の意見を見てきました。
レジ袋有料化の理由は、経済的な理由と環境保護的な理由、その他の理由の3つで、義務化に反対の意見としては、買い物・日常生活が不便、地球温暖化抑制の効果が薄いことなどがあげられます。
日本は海外に比べ、レジ袋の有料化が遅れていることは明らかで、義務化は不可避の流れといえます。
確かに何かと不便になることは避けられませんが、そのつもりで準備していたほうがよさそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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