今回は、日本の世界自然遺産のお話です。
日本の世界遺産の数は現在のところ26個(2024年10月末時点)ですが、このうち世界自然遺産は何個かご存知でしょうか?
四方を海に囲まれて火山や山々が多い日本は、豊かな自然にも恵まれています。
世界自然遺産の数もかなり多そうですが、はたして何個あるでしょうか?
今回は、日本の世界自然遺産の数は何個あるのか、その特徴と候補などとともに見ていきたいと思います。
日本の世界自然遺産の数は何個?
世界遺産には、文化遺産・自然遺産・複合遺産・危機遺産の4種類がありますが、このうち日本で認定されている世界遺産は文化遺産と自然遺産の2種類です。
日本には複合遺産と危機遺産はありません。
日本の世界遺産は文化遺産はたくさんなりますが、対して世界自然遺産はそう多くありません。
日本の世界自然遺産の数は何個かというと5個しかありません。
参考:「日本の世界自然遺産」(環境省)
⇒ http://www.env.go.jp/nature/isan/worldheritage/
・知床(北海道)
・白神山地(青森県・秋田県)
・小笠原諸島(東京都)
・屋久島(鹿児島県)
・奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県・沖縄県)
意外と少ないですね。
日本の文化遺産が21個ですから、いかに少ないかがわかるというものです。
日本の世界自然遺産の特徴
では、続いて日本の世界自然遺産の特徴を見ていきましょう。
豊かな自然環境と生態系をもつという特徴は一致していますが、それぞれ他の地域にはない特徴も有しており、非常に個性的ですね。
余談になりますが、筆者は知床と白神山地は訪れてその素晴らしさを体験していますが、残りの2つもいずれ訪れてみるつもりです。
日本の世界自然遺産の特徴①~知床(北海道)
知床は北海道の北東部に突き出た半島で、2005年7月に世界自然遺産に登録されています。
特徴は、海氷の影響を受けた海と陸の生態系の豊かなつながりと多くの希少種や固有種を含む
幅広い生物種が生息・生育する多様性です。
海ではクジラやシャチ、アザラシ、陸ではヒグマやエゾシカ、空ではオオワシやオジロワシ、シマフクロウなど豊かな生態系を形成しています。
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日本の世界自然遺産の特徴②~白神山地(青森県・秋田県)
白神山地は青森県に秋田県にまたがって日本海沿岸に位置しており、1993年12月に世界自然遺産に登録されています。
特徴はブナの原生林で、その規模は東アジアで最大です。
我が国の固有種であるブナを中心とした白神山地は、森林生態系の博物館と呼ばれ、アオモリマンテマなどの地域固有の植物、ツキノワグマやカモシカなど多くの動物が生息しています。
日本の世界自然遺産の特徴③~小笠原諸島(東京都)
小笠原諸島は東京都で、東京から南に約1,000km 離れた太平洋上に位置しており、2011年6月に世界自然遺産に登録されています。
「ボニンブルー」と呼ばれる紺碧の海と切り立った断崖の大小約30ほどの島々からなる小笠原諸島の特徴は、これまで一度も大陸と陸続きになったことがないため、多くの固有種が存在することです。
小笠原諸島の固有種率は非常に高く、植物は全体の約40%、昆虫は全体の約25%、カタツムリは90%以上(約100種)が固有種です。
日本の世界自然遺産の特徴④~屋久島(鹿児島県)
屋久島は鹿児島県南方約60kmに位置しており、1993年12月に世界自然遺産に登録されています。
特徴は、巨大な屋久杉とさまざまな気候帯の植物が分布していることです。
屋久島は、「ひと月に35日雨が降る」といわれるほど雨が多く、年間降水量は8,000mm を超え、日本の年平均降水量の約5倍、世界の年平均降水量の約10倍にもなります。
そのため高い湿度にも適応したホソバハグマ等の植物や湿度の高い気候でも腐りにくい屋久杉が樹齢1,000 年以上に達するまで生育しています。
日本の世界自然遺産の特徴⑤~奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県・沖縄県)
奄美大島と徳之島は鹿児島県、沖縄島北部及び西表島はは2021年7月に世界自然遺産に登録されています。
奄美大島と徳之島は鹿児島県、沖縄島北部及び西表島は沖縄県に位置していますが、沖縄島北部は国頭村、大宜味村、東村を指し、西表島と合わせて4島からなります。
やはり他にはないこの地域だけの自然環境を有しており、イリオモテヤマネコなどこの地域にしか生息しない生物も多いです。
日本の世界自然遺産の候補
世界遺産の制度が改定され、2020年以降は世界遺産候補の審議対象はひとつの国で一件のみに限られることになりました。
また、世界遺産条約を締約した国は将来世界遺産一覧表に記載する計画のある物件を「暫定一覧表」としてユネスコに提出することになっています。
世界遺産委員会へ推薦書を提出し審査をされるには、事前に暫定一覧表に記載されている必要があります。
「暫定一覧表」には文化遺産4件が記載されていますが、残念ながら自然遺産は記載されていません。(2024年10月末時点)
日本にはまだまだ素晴らしい自然が残されているので、今後の動きに期待したいところです。
参考 ⇒ 「日本の暫定一覧表記載遺産」(文化庁)
日本の世界自然遺産の数~まとめ
今回は、日本の世界自然遺産の数は何個あるのか、その特徴と候補などとともに見てきました。
日本の世界自然遺産の数は5個で候補は0個です。(候補だった「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が2021年7月に世界自然遺産に登録されました。)
その特徴はやはり豊かな自然環境と生態系で、他の地域には存在しない固有種が多く見られるということです。
日本の世界自然遺産は、文化遺産の21個に対して少なく非常に希少価値の高いものといえるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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